楽譜としての体裁を整える

楽譜としての体裁を整える #

前回は、とりあえず五線や音符を表示するところまで
今回は、ちょっと体裁を整えます

二段一組にする #

一般的に「タブ譜」と呼ばれているものは、上段に五線譜、下段にタブ譜の二段で一組になっていると思います
こんな感じ

二段一組にするには、「 StaffGroup 」というのを使います

\version "2.13.7"

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      c d e f g a b c'

    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      c d e f g a b c'

    }
  >>
}

今までは大体「 { } 」の間に書いていましたが、今回は「 « » 」の間に書いていることに注意してください
今回のように二段組みにしたり、同時に複数の音符だったりの時は「 { } 」ではなく「 <> 」や「 « » 」です。これはもう、こんなもんだとして覚えてしまうのがいいです

「 StaffGroup 」で間違えて「 { } 」を使うと。。。

\version "2.13.7"

\score {
  \new StaffGroup {
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      c d e f g a b c'

    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      c d e f g a b c'

    }
  }
}

。。。こんな感じで、記述した順番に連続で表示されてしまいます

同じ音符を二回書かない #

タブ譜の上段と下段は、同じ音を違う方法で表現しています。だったら、「 c d e 」とか、二回も同じものを書きたくないですよね? こんな風にしてみましょう

\version "2.13.7"

mainTrack = {
  c d e f g a b c'
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      \mainTrack
    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      \mainTrack
    }
  >>
}

さっきと同じ譜面が作成できたと思います。これで、「 mainTrack 」のところを変更するだけで、五線譜もタブ譜も同時に生成できるようになりました
ギターの場合、どの弦でその音を弾くのか? というのがありますので、タブ譜の方を作成したらそれを元に五線譜が生成される、というようなイメージで作成していくことになります 1

拍子とかキーとか #

今までハ長調( C メジャー ) で 4/4 拍子の譜面で進めてきました。他の調や拍子の場合は、「 \cref 」と同じように指定します
指定する場所は「 \cref 」と同じ場所でいいんですが、せっかく「同じことは二度しない」ようにしたので、「 mainTrack 」の方に書きましょう

\version "2.13.7"

mainTrack = {
  \key g \major
  % 短調の時は e \minor
  \time 3/4

  c d e f g a b c'
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      \mainTrack
    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      \mainTrack
    }
  >>
}

小節の区切りもちゃんと変わったし、ファの音にナチュラルもつきましたね

LilyPond で小節の区切りは「 | 」でできますが、ない場合は勝手に適切に分けてくれます。まぁ、あった方が読みやすいので、いれといた方がいいとは思います

\version "2.13.7"

mainTrack = {
  \key g \major
  \time 3/4

  c d e | f g a | b c' r |
  % 休符は r です
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      \mainTrack
    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      \mainTrack
    }
  >>
}

譜面に楽曲名をいれよう #

譜面ですので、楽曲名とか作曲者情報とか欲しいですね。そんな時は「 \header 」です
冒頭に記載しておくと、ファイル開いた時に情報がわかりやすくていいですね

\version "2.13.7"

\header {
  title = "LilyPond の練習"
  subtitle = "tut. 01"
  composer = "作曲者"
  arranger = "編曲者"
  poet = "作詞者"
  copyright = "最初のページのフッタ"
  tagline = "最後のページのフッタ。通常 LilyPond 〜と入る"
}

mainTrack = {
  \key g \major
  \time 3/4

  c d e | f g a | b c' r |
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      \clef "treble_8"

      \mainTrack
    }
    \new TabStaff {
      \clef "tab"

      \mainTrack
    }
  >>
}

作詞者、作曲者などは、一般的な楽譜ではこの場所に記載するってことなんでしょうね。私はよくわからないので、その場所に表示したい文字をいれてしまいますけどね

今回はちょっと長かったですかね。次回は、その他「記載しておくと便利かも」的なものをちょろちょろ追加して、テンプレートとして完成させていこうと思います


  1. タブ譜上での弦の指定方法は、後ほど説明します ↩︎

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